
猫のそばにいて「あれ?なんか臭いな…」と思ったことはありませんか?実はそれ、猫のおならのにおいかもしれません!
しかし、猫がおならをする音を聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。今回は、猫がおならをする仕組みや、おならが臭い時の原因と対策について紹介していきます!
目次
猫は音を出さずにおならをする!
猫は音を出さずにおならをします。いわゆる「すかしっ屁」と言われるおならのことですね。
大抵は臭~いにおいが漂ってきておならだとわかるので、猫がおならをする音は一度も聞いたことがないという飼い主さんも多いようです。
そもそもおならで音が出るのは、肛門から空気が出る時におしりの皮膚がぶつかり合うからだと言われています。だから、猫のように四足歩行の動物は、体の構造上おならをしても音が鳴りません。
ただ、猫がおならをすること自体は正常なので、音が鳴らなくても心配しないでくださいね!
その臭いが猫のおならかどうかを見極める方法ってあるの?
猫のおならは音がしないので、臭いにおいが漂ってきても本当に猫の仕業なのかわかりませんよね。
しかし、その時の状況や猫の行動から、おならをしたのかどうか見極めることができます!
- 腐った卵や硫黄のような強烈なにおいがする。
- 自分でお尻の辺りをにおう。
猫のおならには、餌を食べる時に一緒に飲み込んだ空気や、消化の際に発生するガスが含まれています。
特に猫の主食である肉や魚などのたんぱく質は、硫化水素やインドールなどのガスが大量に溜まるのでにおいがきつくなります。腐った卵や硫黄のような強烈なにおいがしたら、おそらく猫のおならでしょう。
また、猫は自分のおならのにおいに敏感で、おならを出した後に自分でおしりの辺りを嗅ぐ仕草をすることがあります。自分のおならにびっくりしてにおいを嗅ぐとは、なんとも愛くるしいですね!
猫のおならが臭い原因って何?
猫のおならが臭いのは、肉や魚中心の食生活と腸内環境が関係しています。
先ほども少し触れましたが、肉や魚などのたんぱく質を分解する時には、アンモニア、インドール、スカトール、硫化水素などにおいの元になるガスがお腹に溜まります。中でもインドールは強烈なにおいがするので、臭いおならが出るのです。
また、腸内に悪玉菌が多いとたんぱく質を腐らせてしまうのでおならが臭くなります。
ただ、猫のおならは臭いものなので特に気にする必要はありません!人間でも肉や魚ばかり食べているとおならが臭くなりますからね。
しかし、おならの回数が異常に多い、前よりにおいがきつくなった、こんな場合は腸内環境が悪いのかもしれないので注意が必要です!
猫のおならが臭い時や多い時に考えられる病気は!
猫のおならは基本的に臭いのですが、突然においがきつくなった時や回数が多い時は注意しましょう!また、おなら以外に次のような症状が見られる場合は病気の可能性もあります。
- お腹がパンパンに腫れている
- お腹を触ると嫌がる
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- 便秘
これらの症状が見られる場合は、胃や腸など内臓に何らかの異常があるのかもしれません。特に疑わしい病気をまとめてみました。
- イレウス(腸閉塞症)
- 膵外分泌不全症
- 慢性小腸性下痢
- 寄生虫症
猫のおならが臭い時や多い時に考えられる病気①:イレウス(腸閉塞)
イレウスは、本来おならとして排出されるガスの通り道が塞がって腸内に溜まってしまうという病気です。つまり、ガスは溜まるのに出口がないという危険な状態です!
イレウスを起こすと、おならが出なくなって便秘になり、嘔吐や食欲不振などの症状が出ます。
腸内の腫瘍や毛玉の詰まりが原因だと言われていますが、放っておくと腸が壊死する可能性もあるので病院に連れていきましょう。
猫のおならが臭い時や多い時に考えられる病気②:膵外分泌不全症
膵外分泌不全症とは、消化吸収を助ける膵臓が上手く機能しなくなるという病気です。おならの回数が増えるほか、柔らかい脂肪便や食糞などの症状が見られます。
また、普段通りに餌を食べていても、栄養を上手く吸収できずに体重が減ることもあります。
外科手術や絶食など医師による専門的な治療が必要なので、病院に連れていきましょう。
猫のおならが臭い時や多い時に考えられる病気③:小腸性下痢症
小腸性下痢症とは、簡単に言うと慢性的に下痢が続く病気のことです。おならの回数が増えるほか、口臭やお腹が頻繁に鳴るなどの症状が出ます。
水分の分泌と吸収の役割がある小腸が上手く機能しなくなるのが原因ですが、感染症の可能性もあるので病院で検査を受けましょう。
猫のおならが臭い時や多い時に考えられる病気④:寄生虫症
寄生虫症とは、猫の体内に「猫回虫」「猫鉤虫」などの寄生虫が感染して様々な症状が引き起こされる病気です。
寄生虫によっても異なりますが、体を痒がる、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状が起こりやすいとされています。
猫のうんちから人間や他の猫にうつる可能性があるので、病院で寄生虫を完全に駆除する治療を受けましょう。
猫のおならの臭いを抑える方法は?
残念ながら、猫のおならやうんちの嫌なにおいを完全に消すことは難しいですのですが、においを抑えることはできます!
猫のおならやうんちは猫が食べているものから作られるので、食事の面で以下のポイントに気を付けましょう。
- キャットフードを替える。
- 消化に悪い草を与える。
- ヨーグルトを与える。
- サプリメントを与える。
- ご飯の量を減らして回数を増やす。
- 断食をする。
猫のおならのにおいを抑える方法①:キャットフードを替える。
うんちやおならのにおいを抑えるには、穀類や添加物が控えめで食物繊維が豊富なキャットフードがおすすめです!
実は猫の便臭について悩んでいる飼い主さんは多く、便通をよくしたり、便臭を軽減するキャットフードは沢山開発されています。
中には、オリゴ糖や乳酸菌配合のキャットフードもあるので、食いつきや便の状態を見ながら愛猫に合ったものを選んであげましょう。
猫のおならのにおいを抑える方法②:消化に悪い草を与える。
猫はあまり水分を取らないので便秘しやすいと言われています。しかし、便秘になると腸内にうんちやガスが溜まっておならが臭くなってしまいます。
そんな時は、あえて消化に悪い「猫草(キャットグラス)」を少量与えてみましょう。
猫草とはイネ科の植物の一種で、溜まった毛玉を吐き出させたり、消化されない特性を活かして腸内に溜まった便を絡めとったりする効果があります。
一時的に嘔吐や下痢が起こることもありますが、毛玉や宿便をデトックスするという意味では試してみる価値がありますよ!
猫のおならのにおいを抑える方法③:ヨーグルトを与える。
猫の腸内環境を整えるためには、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が効果的です。
猫にヨーグルトって大丈夫なの?と思ってしまいますが、猫用のヨーグルトや、人間用でも生乳100%・無糖タイプなら特に問題ありません。
スプーン1~2杯を目安に3日に1回程度与えるのがおすすめです。ただし!1歳未満の子猫は体調を崩しやすいため控えましょう。
猫のおならのにおいを抑える方法④:乳酸菌のサプリメントを与える。
ヨーグルトが苦手な猫や、牛乳アレルギーの猫には乳酸菌サプリメントでも代用できます。
乳酸菌の種類によっては、整腸作用だけでなく免疫機能を高める働きなども期待できるので、愛猫の健康状態に合わせて最適なサプリを選んであげましょう。
また、犬や猫は人に比べて体温が高く胃酸が強いので、温度や酸に強い加工がされている商品を選ぶとサプリを腸まで届けることができますよ!
猫のおならのにおいを抑える方法⑤:ご飯の量を減らして回数を増やす。
十分噛んでいない、食べる量が多いなどが原因で消化不良を起こすとおならが臭くなります。
しっかりと消化させるためには、一度に与える餌の量を減らして回数を増やしてみましょう。例えば、1日2回餌を与えているなら、1回の量を減らして1日3回に小分けして与えます。
また、餌をゆっくり噛んで食べさせるには、早食い防止用の餌入れを使用するのが効果的です。
猫のおならのにおいを抑える方法⑥:断食をしてみる
毎日休みなく消化活動をしていると、胃腸が疲れて消化不良を起こすことがあります。
そんな時は、胃腸を休ませるために週に1回程度断食するのがおすすめです!1日2回餌を与えているなら、朝の分を抜いて夜はいつも通りしっかり餌を与えます。
そうすると胃腸が元気になるので、便通も改善されて腸内環境が整います。
猫は人間と同じようにおならをしますが、音が鳴らないので猫のおならを聞いたことがない飼い主さんも沢山いるようですね。
ただ、肉や魚を主食とする猫のおならはとっても臭いので、においで猫のおならだと気づくこともあります。
猫が臭いおならをするのは自然なことですが、回数が増えたり、突然においがきつくなったりしたら、病気の可能性もあるので注意してくださいね!